忘れ得ぬニューヨーク物語: 1940 年代の日本人と日系アメリカ人 

第二次世界大戦終結80周年を記念して、ニューヨーク日本人歴史博物館は、1940年代ニューヨークにおける日本人および日系アメリカ人の経験を究明することを目的とたプロジェクトに着手した。このプロジェクトは、とりわけニューヨーク都市圏における日系アメリカ人および日本人たちの歴史、特に彼らの戦中における人権運動や社会福祉に関する歴史はあまり知られていない。ニューヨーク在住の日本人に対するエリス島での集団抑留は、直接的な影響を受けた人々だけでなく、その家族やニューヨークのコミュニティ全体にも大きな影響を与えた。抑留者の一部は日本への帰国を希望したが、同時に、アメリカ人としてのアイデンティティを持つ日系人たちは、広範囲にわたる反日、人種差別により、深い疎外感を味わった。アイデンティティと帰属に関する感情と心情の複雑な相互反応によって引き起こされるこの内的葛藤を多くの人々が身をもって経験した。このデジタル展示では、アーティスト、ジャーナリスト、文筆家、活動家、コミュニティ・リーダーの活動を紹介することで、これらの物語に内在する複雑性を明らかにしようとする試みである。これらの人々は、第二次世界大戦中および現在まで続く活動において、差別と向き合い、人権運動を主導し、福祉活動に取り組むなど卓越した行動力を発揮した。この展示では、アート作品、写真、動画、出版物、文書、オーラル・ヒストリーなど、さまざまな資料の展示を通し、複合的な歴史の物語を紐解いく。