1936年 6月
アメリカ美術家会議の企画展
第1回競作展

Fig. 101. 鈴木盛《彼女の過去》

新人画家の発掘を目的に開かれた第1回競作展には、200名を越す応募作品がありましたが、審査委員のマックス・ウエーバー(Max Weber)、スチュアート・デーヴィス(Stuart Davis)、ヒューゴ・ゲラート(Hugo Gellert)、国吉康雄が選んだのが、鈴木盛《彼女の過去》〔図101〕)でした。鈴木盛は、受賞者の特典として1936年11月15日から29日までACAギャラリーで21点の作品を展示した個展を開催します。


画家仲間の石垣栄太郎の評価

「大胆なアブストラクトな構図、新鮮な強烈な色彩、光、影の極端な対照がすべてがモーダンな感じである。画面がテキスチュアを出すために相当の苦心をしているので氏独特の技術が明確に認められる」

また、コメントも残しています。

「シンボリックなもので『彼女の過去』が一番好きだ」

(石垣栄太郎「鈴木氏個展」『紐育新報』1936年11月21)