1940年 4月
第4回 アメリカ美術家会議展
Fig. 122. 鈴木盛《風景》
Fig. 123. 保忠蔵《問題》
1940年4月に開かれたアメリカ美術家会議の第4回年次展覧会には国吉康雄、石垣栄太郎、保忠蔵、鈴木盛、永井トーマスが出品しました。このうち作品の構図が判明するのは、鈴木盛《風景》〔図122〕と保忠蔵《問題》〔図123〕の二点です。
1940年の第4回年次展覧会は、アメリカ美術家会議の最後の年次展覧会だと考えられます。この展覧会が開かれる前年に起こった、ソビエトのフィンランド侵攻を機に、同会議の組織内では共産主義派とリベラル派の間で意見の対立が深まり、1940年4月にはメンバーの大量脱退が起こりました。その結果、同会議は組織が弱体化し、この後、活動勢力が急速に衰えていったことが背景にあると考えられます。結成当初からアメリカ美術家会議の活動に携わった国吉康雄も1940年初夏には同会議を退いたと考えられます。