清水登之
Fig. 16. 清水登之《ヨコハマ・ナイト》
Fig. 18. 清水登之《アイスクリーム・パビリオン》(ダイクマンの家
Fig. 19. 清水登之《チャプスイ店にて》
Fig. 22. 清水登之《ニューヨーク、夜のチャイナ・タウン》
Fig. 26. Toshi Shimizu, "Childs"
Fig. 23. 渡辺寅次郎《正義の象徴》
清水登之は画家を志して渡米し、シアトルのフォッコ・タダマの画塾で学んだ後、ニューヨークのアート・スチューデント・リーグでジョン・スローンに師事した画家です。本作品は、1920年に清水登之が結婚のために一時帰国した際に立ち寄った横浜を題材にしています。この絵には、船で外国に向かう人々で賑わう港町を背景に、宿屋の二階の座敷では宴会をする人々、街には着物姿の日本人や人力車夫、船で寄港した洋服姿の西洋人の姿があります。
《ヨコハマ・ナイト》は、1921年のシカゴ・アート・インスティチュートの年次展覧会にも出品され、オーガスタス賞の入選が決まりますが、作者がアメリカ人ではないということが理由でこの受賞は取り下げられてしまいます。しかし、この出来事を機に清水登之の知名度は上がり、1923年にはブルマーギャラリーで個展を開き、独立美術家協会やサロンズ・オブ・アメリカには1924年に渡仏するまで毎年のように出品しています。