松本亨

松本亨は、1946年の回想録『兄弟は他人』をはじめ、多くの著書を残した。日本に帰国後、彼は人気テレビ番組の司会や 英語教師として知られるようになった。

松本はアメリカ改革派教会(RCA)の牧師であり、そこから日本に派遣された宣教師でもあった。彼にとっては、キリスト教は「人間生活のあらゆる分野にまたがるもの」であるべきだが、「日本のキリスト教徒が町中の大きなホールに集まっても、祈ることしかしないのは残念」であり、「キリスト教のメッセージは、資本主義が奉仕すべき個々の経済的利益に奉仕するものではなく、資本主義を規制するために奉仕するものである。キリスト教のメッセージは、資本主義を規制するものとして機能するのであって、個人的な経済的利益を提供すると称するものではない。著者は松本を「キリスト教社会主義に近い」と評し、「神の言葉は個人生活と社会生活のあらゆる側面に適用されなければならない」と述べている。キリスト教宣教師として働くことは、彼にとって民主的な人間形成と切り離せないものであったと言える。

松本は10年以上暮らしたアメリカ社会では、ある意味で「日本人」として受け入れられた。しかし、日本に帰国すると、今度は「アメリカ人」として扱われるようになった。

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Subject:
Toru Matsumoto
Year:
1913-1979
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忘れ得ぬニューヨーク物語: 1940 年代の日本人と日系アメリカ人 (2025年3月公開予定)
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