1905年6月10日、福岡県に生まれた貴田氏は青山学院英語師範学校を卒業後、30年に渡米、オハイオ州のオベリン神学校に入学したが、あと一つ論文を提出すれば修士号を取得できるところまできて、牧師の道を断念、32年ニューヨークへ出た。もともとの潔癖な人柄に加え、社会的不公正に敏感な所があった氏は、米政府OSS (OFFICE OF STRATEGIC SERVICE戦絡事務局)日系部隊に参加、インドに派遣され、終戦を中国雲南省で迎えた。戦後、長年の夢であった日系社会や日本の民主化実現のため新聞発行という道を歩き始めた。