マウント・モリス結核療養所
(ニューヨーク州リビングストン)
Fig. 87. 雨宮要生《心地の良い港》
Fig. 88. 門脇ロイ《郊外の工事》
Fig. 89. 門脇ロイ《ジャパニーズ・ガーデン》
Fig. 90. 門脇ロイ《日本の植物》
Fig. 91. 門脇ロイ《フラワーアレンジメント》
Fig. 92. 門脇ロイ《静物 花》
WPAのイーゼル部門で制作された油画や水彩画、リトグラフは、公共施設にも寄付されました。これらの作品の多くは第二次大戦の混乱の中で散逸してしまいましたが、WPAの作品を保存し公開している施設もあります。ここではそのような作品を紹介しましょう。
WPAの美術作品を寄付された施設の一つに、1936年にニューヨーク州リビングストンに開設されたマウント・モリス結核療養所がありました。この療養所には、1937年に約240点のWPAの作品が贈られました。そして1971年に同療養所が閉鎖された後は、州政府が建物と所蔵作品を買い取り、現在はニューディール・ギャラリーとして、WPAの作品を展示しています。
同ギャラリーの所蔵作品には、日本人芸術家5名の合計14点の作品が含まれています。WPAで制作された作品の中でも、石垣栄太郎と鈴木盛が制作した壁画が歴史をテーマにしたものだったのに対して、これらの絵画作品は植物や野鳥、郊外の風景を描いた穏やかな画風の油画、水彩画、版画です。